歌姫桜華





「で、俺になんか用?」




「あ…えっと、昨日のお礼がしたくて…」





 お礼?



 もじもじと背中になにかを隠すように手を背中にやる。






「?」




「こ、これ!!」






 バッと差し出されたのは可愛くラッピングされた袋に入れられた―――クッキー。





「え、これ…俺に?」



「う、うん…」




 静久ちゃんの頬が赤くなっていく。



 か、可愛い…。





 俺は、そのクッキーをただただ見ていた。




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