歌姫桜華
「よかったらこのあと、どこか行かない?」
調子に乗った俺は、もう一つクッキーを食べながら誘った。
「ごめん。今日はこれから塾なの」
「そ、そっか。塾なのに、ここまで来てくれてありがとな」
「じゃあね」
手を振りながら、静久ちゃんは帰っていった。
静久ちゃんが見えなくなったあと、俺はガシガシ髪をかいた。
「はぁー、調子にのんじゃなかった…。
絶対チャラ男って思われた…」
これじゃ奏多じゃん…。最悪…。