歌姫桜華
「じゃあ、俺行くわ!」
「うん。いってらっしゃい」
ニコリと微笑みながら姉ちゃんが言った。
「幸せにするんだよ」
姉ちゃんが呟いた言葉を、俺は拾った。
「わかってる!」
俺は振り向いて、大きく頷きながら言った。
君のこと、まだ知らないところがたくさんある。
一年一緒にいても、わからないところがあるに決まってる。
でもこれから長い未来で、知っていくよ。
他の誰よりも君のことを知ってる人になりたい。