歌姫桜華




「おい小娘、暴れてんじゃねぇぞ」




 後ろから声がして振り向けば、鉄パイプを持った店員4人が私を睨んでいた。




「店長はどこ?」


「いねぇよ。俺らだけで営業してんの」


「ふーん」



 それなら好都合。


 私はニヤリと口角を上げた。





「かかってきな」


 ボッコボコにしてやんよ。





 私がそう挑発すると、店員は怒ったように私に向かって腕を振り上げた。



 遅いよ、皆。


 私を本当に潰そうとするなら、とりあえず、自分の力を強くしなきゃでしょ?




 私はあんたらには負けないよ?






 ――本当に一瞬だった。


 鈍い音は、たった四回しただけ。



 だけど、店員4名は、気を失い地面に倒れている。





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