歌姫桜華
「よし。警察呼んで、私もここから去ろうっと」
そんで、楽しくデートしようっと♪
私はスマホを手にして、警察へと電話をかけた。
――その時だった。
カランカラン
入口が、開く音。
また、ざわつく嫌な予感。
「お前ごときに殺られて、…終わるかよ」
店員の中の一人の呟く声が、私の耳に届いた。
もしかして、仲間を呼んだ?
その予感は、当たってしまった。
「君が、美人だけど恐い、“正義の味方”さん?」
嫌な、低い狂った声。
入口の方へと目を向ければ、そこには10人以上の男たちがいた。