歌姫桜華
バキッ
ドカッ
鈍い音は、いつ聞いてもいい音には聞こえない。
隙ばっかり見せてるこいつらは、本当に私に勝とうとしているのだろうか。
腹に一発パンチ、背中に回し蹴り、顔めがけて飛び蹴り。
とりあえず一撃で気絶するように攻撃する。
できるだけ軽傷ですめばいいんだけど。
時々半殺しにしちゃうから、力抑えなきゃなんだけどね。
力の制御って大変。難しい。
「はぁ……。終わったぁ!」
10分後。
やっと全滅してくれた。
そしてタイミングよく聞こえた、パトカーの音。
「これでデートに行けるぅ…!」
ホッと肩を下ろす私。