歌姫桜華
「ご、ごめん…。麻薬取引現場を見つけて、桜華として、潰さなきゃなって思ってそれで…」
どうしよう。
なんて言っても、言い訳にしか聞こえない。
「ごめんなさい…」
「はぁ~~」
長い長いため息。
和也……やっぱり、呆れて……――
「無事でよかった…」
「…え?」
呆れて、ないの?怒ってる、んじゃないの?
ギュッ…
和也は、私を優しく包み込むように抱きしめた。
「和也…?」
「心配させんなよな、まったく」
「和也…っ」