歌姫桜華
「紺様お願い☆」
「様をつけても無駄ですよ」
「なんだよー」
ま、いいや。宿題は違う奴から見せてもらおっと。
「……違う人から宿題見せてもらおうって考えてますね、奏多」
「え!?なんでわかったんだよ!」
「はぁ…やっぱり」
え、エスパーなのか…こいつ。
それとも、わかりやすいだけか?俺が。
「ほら、学校遅刻しますよ」
「あ、紺置いてくなよ!!」
小学生。
まだまだガキな、俺ら。
大きなランドセルを背負って、紺に追いつこうと走る。
「へっへん♪置いてくぞ、紺」
「奏多、前見てないと転びますよ」