歌姫桜華





 ――駄菓子屋に行って、最近はまっているお菓子を2・3個買って、公園のベンチで食べる。




「うっめ」



「お菓子のカス、落ちてますよ」



「ホントだ」




 ま、落ちちゃうよな。


 しょうがない、しょうがない。





 お菓子を全て食べ終わったとき。






「っ……」


 一人の女の子が公園の隅っこへ、逃げるように走ってきた。






「「!?」」



 俺と紺は、女の子が来たことにも驚いたが、その女の子の足の速さにも驚いた。


 おいおい、俺より速ぇんじゃね…?




 てか、その女の子…泣いてたような……。




「どうしたんでしょうね、あの子」


「…なんか気になるな」






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