歌姫桜華




「信じてくれた、よね」



「「もちろん」」




 最初に信じなかった気持ちが嘘みたいに、消えてなくなっていた。


 信じなかった自分が、今ではバカバカしい!




「でも、失敗だったかなぁ」



「え?」


「今のが、ですか?」




 失敗って、え?


 は?嘘だろ?




「どこが、ですか?」


「だってさ、ちょうど半分じゃないでしょ?」



「え!?半分だろ、どう見ても!」



「じゃあ測ってみなよ。半分じゃないから」




 そう言われて、俺と紺は割れた木材を定規で測ってみた。


 すると、美藍ちゃんが言うように、5ミリ程度だが、ちょうど半分ではなかった。




「たった5ミリだけだぜ!?ほぼ半分じゃん」


「俺もすごいと思いますけど…」





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