実験体が恋をした
普通に思うけど、
あの2人って、仲いいな。
良すぎだと思うけど。
「ねえ、千尋」
「ん?何?ってあれ?
ちゃん付けが、なくなった
ような・・・?
ま、いいか。で、なに?」
「その2人、誰?」
「あー、えっとね、従兄弟なの」
「・・・ごめん。それどっち?」
「あ、眼鏡のほう」
「眼鏡言うな」
青髪の眼鏡の男の子が言った。
「俺は、櫻田竜也。よろしく」
「ぼ、僕は、河野秀です。
よ、よろしくお願いします・・・」
ああ、連れが挨拶したから
つられたのか。
分かるよ。
「宮沢光香です。よろしく」
「宮沢、柚我が同じ班だ。
で、田村が余ったけど、
宮沢、入れてやってくれんか?
仲良さそうだし」
「へっ!?あ、はい。いいですよ」
耳には入ってたから、
内容はわかったけど・・・
そろりと斜め前を見ると、
案の定、目を丸くしていた。
「んじゃ、よろしく、千尋」