気づかないスキ。
「癸生!ボール!」



振り向いた瞬間おでこにボールが勢いよく当たった。



「いた…」



「癸生!大丈夫か!」



「うんありがと季市…ってきゃあ!」



なぜか季市と話してるのに一茶が私を持ち上げた…



…というより…お姫様だっこ…?



「え…ちょっと…一茶いいよ…」



「うるせぇ黙っとけ。」



「やー…」



そのまま一茶は保健室に運んでくれた。



「でこ冷やすか?」



「う、ううん!大丈夫だよ!自分でやるし!」



「えーとどこだっけ。あっちか。」



がんむしっ!



「ねぇ一茶もうプレイに戻っていいよ?」




「あーでこ赤くなってる…痛かったか?」



またまたがんむしっ!



「あの!癸生の話も聞いてよ!」




「だってボール当てたの俺だし。さっきは悪かったな…」



「え?」



一茶だったんだ…



知らなかった…



「えと………だだだだだいじょーぶだから!き、気にしないで!ははは!」



「や、でも、女子だし。顔だし。お前だし。」



「わ…たし…?」
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