キミさえいれば
「あの……私、黒崎先輩と別れたんです……」


私の言葉に、目をぎょっと見開く浮田先輩。


「はぁっ? ウソだろ? まじで?

白石が別れたいって言ったのか?」


私はコクンと頷いた。


「ど、どうして?

あんなに仲良かったじゃん。

まさかお前、他に好きな人でも出来たのかよ」


浮田先輩の問いに、私は首を横に振った。


「じゃあ、どうしてだよ?

なんで別れたいなんて言った?

アイツが嫌いになったのか?」


嫌いなわけない。

 
兄だとわかった今でも、先輩が恋しい。


会いたいし、話したいし、触れたくてたまらない。


だけど、許されないから。

 
許されることじゃないから……。
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