キミさえいれば




凛に別れを告げられてから、一週間が過ぎようとしていた。


今週、生徒会の集まりがあるけど、一体どんな顔をして会えばいいのか。


今期の生徒会も、今月の選挙が終われば解散だ。


俺と凛を繋いでいたものが、無くなってしまう。


何がいけなかったんだろう。


必死で考えてみるけれど、思い当たるフシが何もない。


凛……。


俺は凛が全てだよ。


凜以外の女なんて、この先愛せないと思う。


凜は違ってたのか?


あんなに俺のことを思っていてくれたのに。


いつも可愛い笑顔を向けてくれたのに。


もう、何もしたくない。


受験も、合気道も、もうどうでもいい。


凜がいなきゃ、俺は生きてる意味もない。


凜……。


凜が恋しいよ……。


「あのー、黒崎君」


声のする方を向くと、クラスの女子が俺の席のすぐそばに来ていた。


「あのね、黒崎君。

あと黒崎君だけなんだ。

写真の提出がまだなのは」


「写真って?」


「えーっ? 

それすら覚えてないの?

卒業文集に載せるためにね、子供の頃の写真が欲しいのよ。

みんなもう提出してるんだよ」


「……そうだったんだ。

ごめん。

明日持ってくるから」


「忘れずにお願いねー」
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