キミさえいれば
本当の理由
次の日のお昼休み。
俺は藤堂のクラスを訪ね、藤堂と非常階段に足を運んだ。
昨日の今日で奇妙な感じだけど、俺はどうしても藤堂に聞きたいことがあった。
「凛の様子は……?」
非常階段に座った藤堂が、心配そうに俺に問いかける。
「あぁ、もう大丈夫だよ。
学校にもちゃんと来てる」
俺がそう言うと、藤堂はそうかと呟いた。
「ーで、俺に聞きたい事ってのは、昨日最後に話したアレだよな?」
「あぁ」
俺達の両親の離婚の原因。
近所に住んでいたハヤトの口から聞いてみたかった。
「俺、昨日親父に確かめたんだけど、離婚の原因は母親の男性トラブルだって言ってた。
凛もそう言ってる。
度重なるトラブルに親父が怒って、ついに離婚に至ったって……」
俺の言葉に、藤堂が顔をしかめる。
「浮気?
あの人に限ってそれはないだろう。
あんな良妻賢母はいねぇよ。
近所でも評判だったんだ。
美人だし、料理は上手いし、綺麗好きだし」
良妻賢母?
「絵に書いたような幸せそうな家庭だったよ。
凛と一緒に、家を出て行くまでは」
幸せそうな家庭、か……。
確かにアルバムを見た限り、仲の良さそうな家族だった。
男性トラブルなんてキーワードが出てくるとは、とても思えないほど。
俺は藤堂のクラスを訪ね、藤堂と非常階段に足を運んだ。
昨日の今日で奇妙な感じだけど、俺はどうしても藤堂に聞きたいことがあった。
「凛の様子は……?」
非常階段に座った藤堂が、心配そうに俺に問いかける。
「あぁ、もう大丈夫だよ。
学校にもちゃんと来てる」
俺がそう言うと、藤堂はそうかと呟いた。
「ーで、俺に聞きたい事ってのは、昨日最後に話したアレだよな?」
「あぁ」
俺達の両親の離婚の原因。
近所に住んでいたハヤトの口から聞いてみたかった。
「俺、昨日親父に確かめたんだけど、離婚の原因は母親の男性トラブルだって言ってた。
凛もそう言ってる。
度重なるトラブルに親父が怒って、ついに離婚に至ったって……」
俺の言葉に、藤堂が顔をしかめる。
「浮気?
あの人に限ってそれはないだろう。
あんな良妻賢母はいねぇよ。
近所でも評判だったんだ。
美人だし、料理は上手いし、綺麗好きだし」
良妻賢母?
「絵に書いたような幸せそうな家庭だったよ。
凛と一緒に、家を出て行くまでは」
幸せそうな家庭、か……。
確かにアルバムを見た限り、仲の良さそうな家族だった。
男性トラブルなんてキーワードが出てくるとは、とても思えないほど。