キミさえいれば
だけど、洋二さんは昔から保には甘くて、何もしてくれなかった。


何度も説得したけど、軽くあしらわれてダメだった。


母さんは凛を守りたかったの。


兄妹でそんなことがあっちゃいけないと思ったから。


だから、私は離婚を要求した。


もう一方的に。


私が洋二さん以外の男性に言い寄られて間違いを犯したことにしてくれて良いし、凛の養育費もいらないと言って……。


だけど、そのままおばあちゃんの家にいたら、いつ保が現れるかわからない。


だから母さんは、コンパニオンをしていた頃の友達を訪ねてこの街に引っ越して、その友達が経営しているお店で働く事にしたの。


それが離婚の経緯よ、凛。

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