キミさえいれば
ダメだ……。


変な噂のせいで、どんなに抵抗しても泣き叫んでも、この人を喜ばせる材料にしかならない。


どうすれば良いの……?


男は私の首元の赤いリボンをスルリと外すと、ブラウスのボタンに手をかけた。


荒い息遣いで、私の首筋に何度も唇を押し当てながら、瞬く間に全てのボタンを外してしまう。


「へぇ……。

白とはこれまた、そそるじゃん」


ツーッと人差し指で、私の喉元から胸元をなぞる男。


「純情ぶったって、どうせエロい声出すんだろ?」


そう言ってニヤリ笑うと、男が私の胸に顔を埋めた。


悔しい……。


この人にこんな事をされるために必死に生きて来たわけじゃない。


死にたいと思った事は何度もあったけど、それを踏みとどまったのは、たもっちゃんに会いたかったから。


それなのに、こんな辱しめを受けるなんて……。


こんなのいや。


絶対にいや!


たもっちゃん、助けて……!


心の中で必死に名前を呼ぶけれど、男は私の両脚の間に自分の太腿をねじ込んで来る。


もうダメなんだと、絶望を感じていたその時。


 

ガチャンと生徒会室の扉が開いた。
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