キミさえいれば
「んぐっ、苦しい。保……!」


首が締まって苦しがる男に、鋭い視線を向ける生徒会長。

 
大亮(だいすけ)嘘をつくんじゃない……」


「は? 嘘じゃねぇって」


男がそう言った途端、生徒会長は彼の腕を掴んで、そのまま後ろにひねり上げた。


その勢いで身体が回転した男は、ダンッと壁に強く顔をぶつけてしまった。


「まだとぼけるつもりなのか?」


背中を押さえつけられたまま腕が完全にキメられていて、男は尋常じゃないくらいに痛がっている。


「いてててっ!いてぇっ!

わ、わかった。

わかったから離せって」


「何がわかったんだよ!」


生徒会長はさらに男の腕をひねり上げる。


「お、俺が悪かったーーー!」

 
「じゃあ白石に謝るか?」


「謝る! 謝るから離せー!」


男のその言葉に、急にパッと手を離す生徒会長。


そのせいで男は、床にバタンと勢い良く倒れてしまった。


ゼーゼーと息を切らしている男。


近くでその一部始終を見ていた私は、怖くて一歩も動くことは出来なかった。
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