キミさえいれば
吐いて少しラクになった私は、再びベッドに横になった。


すると、すぐに先生がそっと布団をかけてくれた。


「白石さん、少し痩せたわね。

前から細かったけど、もっと細くなった気がするわ」


確かに先生の言う通りで、この頃少し体重が落ちていた。


色々心配事も重なったし、気が晴れなくて、食欲が無かった。


「ねぇ、白石さん。

今から先生が聞くこと、気を悪くしないでくれる?」


「はい?」


先生の言った事の意味がわからず、目がパチパチしてしまう。


「嘔吐した女子には、一応聞いてるの。

大丈夫よ。

絶対に口外はしないから」


「はぁ……」


なんなんだろう? 一体……_。


「白石さん、生理は順調に来てる?」


「えっ?」


生理……?


そう言えば、前回いつ来たんだっけ。


ハッとした途端、ゾクッと背中に冷たいものが走った。


心臓がドクンドクンと大きな音を立てて速度を上げていく。


「どうしたの?」


「え? あ、あぁ。順調に来てますよ」


「そう、それなら良かった。

ウィルス性の胃腸炎かもしれないわね。

この頃流行ってるし」


先生の言葉に、私は数回頷いた。



生理……。



私……。




先月から来てない……。
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