キミさえいれば
「……にしないで……」


「ん? 今何か言った?」


そう言って、私の顔を覗き込む生徒会長。


私はそんな彼をキッと睨んだ。


「馬鹿にしないで!」


私が突然の大きな声を上げたから、生徒会長の肩がビクンと上がった。


「誰とも寝たことなんかないわよ!

誰かと付き合ったこともない!

誰とでも寝るだなんて、そんな噂……。

信じて真に受けるなんて最低です!」


言いながら、どんどん目に涙が滲んでいく。


「さっきの人もあなたも許せません。

生徒会の仕事なんて、私はしません。

もう二度と関わらないでください!」


そう言い捨てて、私は生徒会室を飛び出した。


嫌い嫌い!


大っ嫌い!


ここの学校の人達全員。


中でも生徒会長が一番嫌い。


あんな人とたもっちゃんを間違えそうになったなんて、そんな自分が許せない。


もうイヤ。


もう……。


生きていたくないよ……。


たもっちゃん、どこにいるの?


私、どうしたらいい?


死にたいのに、死に切れないの。


たもっちゃんに会うまでは……。
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