キミさえいれば
ごめんね、たもっちゃん。


私、自分が許せないの。


この子だけを絶つ事が、耐えられないの。


絶つなら、私も一緒でなければ……。


こんな選択をする私は、弱い人間なのかもしれない。


だけど、この子を失った罪を背負って、この先生きていく自信がない。
 

お父さん、お母さん、ごめんなさい。


ふしだらな娘でごめんね。


お父さんとお母さんが大好きだったよ。


たもっちゃんに再会出来たから。


私にはもう悔いはないの。


それだけが私の願いだったから。


たもっちゃん。


たもっちゃんはこれから、普通の人と恋をしてね。


普通に結婚して、普通に子供を育てて欲しい。


みんなから祝福されて、幸せになってほしい。


もし。


もし生まれ変われるなら。


今度こそ他人として生まれて。


たもっちゃんと恋をしたい。


そしてお日様の下で、正々堂々と胸を張って、手を繋いで歩きたい。


だからたもっちゃん。


私を絶対に見つけてね。



 
きっとだよ……。

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