キミさえいれば
全く違う
生徒会長の意外な提案に驚いた私だったけど、とりあえずしばらく様子見ということになってしまって。


なんだか複雑な気持ちのまま次の日学校へ行くと、教室に入る直前に一人の女子に声をかけられた。


「おはよう、白石さん」


この人誰だっけ?


そう思った直後、にっこりと笑うその顔にピンと来た。


「あなた生徒会の」


「そう。会計担当の久保田(くぼた)美咲(みさき)よ。よろしくね」


そう言って手を差し出す彼女。


「あ、ど、どうも」


一応手を出してみると、ブンブンと力強く握手をされてしまった。


「白石さんなんて呼びにくいから、“凛”でいい?」


「えっ?」


「私のことは、美咲でいいよ」


「はぁ……」


なんなんだろう、この人。


随分と強引な。


でも悪い気は全然しないけど。


「私、1年4組なの。あなたの隣のクラスよ」


へぇ、そうなんだ。


同じクラスの人でさえ覚えてないから、隣のクラスの人なんて全然わからないな。

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