キミさえいれば
年末年始に
「ちょっと……。

衝撃的過ぎて、何言っていいかわからないよ……」


久しぶりに登校した学校。


ずっと私を心配してくれていた美咲に、私は全てを打ち明けていた。


「黒崎先輩が凛の生き別れたお兄さんで、

しかも記憶を失っていたなんてね。

お互い兄妹だと気づいてからも、先輩の記憶が戻ってからも別れられなくて……。

その果ての赤ちゃん……。

そのことで思い悩んで、凛が川に飛び込んでいたなんて……。

あぁ~、ショックでどうにかなりそう!」


いつも冷静な美咲も、さすがにパニックになっているようだ。


「話して欲しかったけど。

さすがに事情が事情なだけに、誰にも言えないわよね。

一人で思い悩んで、つらかったね……」


美咲の言葉が優しいから、目に涙が滲んでしまう。


「もう二度と会えないかもしれなかったんだね。

生きててくれて、本当に良かった……」


「ごめんね……」


どんな理由があったにしても。


やっぱりあんなことはするべきじゃなかった……。


こうしてまた美咲に会えて、本当に嬉しい……。
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