キミさえいれば
「両親には大きな借りが出来ちゃったよな。

俺、一生懸命勉強して。

いつか、その借りをちゃんと返すつもりだから」


「たもっちゃん……」


「今はまだ学生だけど。

でも俺、凛のことを精一杯守るから。

今までもそうだったけど、これからもずっとずっと凛を守っていくよ」


たもっちゃんの言葉に、うんと何度も頷いた。


「凛、愛してる……」


「私も愛してる……」


ギシッとベッドが軋む音がして、


たもっちゃんと私は静かに唇を重ねた。


しばらくして、涙がぽたりと枕に染みていく音が聴こえた。

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