キミさえいれば
「俺に話してよ。俺に出来ることなら、何でもしてやるから」


先輩の優しさに、胸がキュンとしてしまう。


だけど、そんなこと恥ずかしくて言えそうもない。


「どうした? 言いにくいこと?」


うー、どうしよう。


こんなこと言ったら、嫌われないかな……。


「あの、きょ、今日私。

生徒会室で、見ちゃったんです……」


「見たって何を?」


きょとんと首を傾ける先輩。


「み、美咲と田辺君がその……。

キ、キスしてるところを……」


うわー、言っちゃった。


恥ずかしいよう。


「げっ、マジで?

アイツら生徒会室で、そんなことしてんのか?」


先輩は呆れ顔だ。


「ん? でも、それと凛が元気がないのと、どういう関係があるんだ?」


ど、どうしよう。


正直に言って大丈夫かな……。



「あの……。美咲達と私達。

付き合い始めた日が同じなのに、ど、どうして私達はまだなのかなって……」


「え……?」


あぁぁ~!


先輩がビックリしてる。


呆れちゃった?


嫌いになっちゃった?


「凛、それって……」


ど、どどどうしよう!
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