キミさえいれば
先輩との幸せで優しい時間は流れるのが早くて、季節は既に暑い夏を迎えていた。


付き合い始めてから今までずっと、土日に勉強を頑張る先輩とは休みの日には会えなかったけど、今回初めて先輩が誘ってくれて、デートをする事になった。


二人で街へ出て、ブラブラと買い物をしたり、ご飯を食べたり、ごく普通のデートをした。


その帰り、私達は広くて綺麗な公園へ行き、芝生にそっと腰を下ろした。


目の前には、沢山の親子連れがボールなどで遊んでいる姿が見える。


それを見ていたら、たもっちゃんと遊んでいた頃を思い出してしまった。


「なぁ、凛。

もうすぐ夏休みだろ?

俺な、学校の補習以外にも、夏期講習に行くことになったんだ。

だから、あんまり会えないかもしれない」


「そうなんだ……」


先輩は受験生だもの。


忙しいのは当然だよね。


「そんな不安そうな顔するなって。

毎日メッセージを送るし、電話もする。

凛は? 

バイトはあるんだよな?」


「私、夏休みは昼間に入るんです」


「そうか。

じゃあ、合気道の練習の帰りにコンビニ行っても、凛はいないのか」


「はい……」


どうしよう、私……。


すごく寂しいかも……。
< 79 / 311 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop