キミさえいれば
自己紹介……。


そう言われて、深いため息が漏れた。


もう随分前に、人とは極力関わらずに生きていこうと決めた私。


同じクラスの子の名前もほとんど覚えていないし、別に覚えるつもりもない。


ここのメンバーだって、生徒会役員選挙の時に会っているはずだけど、誰の顔も名前も記憶にないくらいだし。


だから私には無意味な事で、おそらく耳を素通りすると思うのに。


真ん中に座っているその人は、あっさり口を開いてしまった。


だけどこの自己紹介が、私をひどく驚かす事になるのだった。
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