キミさえいれば
浴室から出ると、俺は凛の待つ部屋へと向かった。


シャワー中も、心臓がドキドキしっぱなしだった。


それは多分、凛も同じだと思う。


少し不安そうに床に座っている凛の手を取ると、俺はベッドへと凛の手を引いた。


そのまま部屋の電気を豆電球にすると、二人でベッドに腰を下ろし、俺は凛をそっと抱きしめた。


凛も俺にしっかりとしがみつく。


しばらくそうしていた俺達だったけど。


俺はゆっくり凛をベッドに横たわらせ、凛の髪をそっと撫でた。


そして、凛の綺麗な柔らかくて長い髪に、何度も指を通した。


その感触にうっとりと目を閉じている凜の唇に、俺は静かに自分の唇を重ねた。


唇が重なった途端、お互いの熱が上がっていくのを感じる。


しばらく優しいキスを交わした後、俺は凛の首筋に唇を落とした。


以前、大亮に襲われた時、ここを執拗に攻められたと聞いていた。


あの野郎、思い出すとめちゃくちゃ腹が立つ!


俺はその嫌な記憶を消し去るように、首や耳に優しく唇で触れた。


触れるたび、凛が熱い吐息を漏らす。


その顔があまりに可愛くて、なんだか理性が吹っ飛びそうになった。


焦る気持ちをなんとか抑えつつ、凛の上着をゆっくりと脱がせると、凛は下に何も身につけていなくて。


思わず、俺はゴクッと息を飲んだ。
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