キミさえいれば
優しくしてあげたいのに、俺は全く余裕なんてなくて、必死に凛を求めた。


俺らが動くたびに、パイプベッドがギシギシと音を立てる。


その音がやけにデカくて、下の部屋に響いてるんじゃないかと頭の片隅で思った。


でも、そんなことにかまってられないほど、俺はもう凛の事しか考えられなかった。


これほどまでに夢中になれる子に出会えるなんて。


今まで付き合った女の子は、一体なんだったんだろうか。


思えば俺は、初めて凛を見た時に、すでに心を奪われていたのかもしれない。


そうだ。


きっと、一目惚れだったんだ……。


俺と凛は長い時間をかけて愛し合い、ついにひとつに結ばれた。


二人とも心がいっぱいに満たされたのか、裸で抱きしめ合ったまま眠ってしまった。
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