ひだまり

「葉山さん大丈夫かなって」

少し困ったかおして言うこいつから心配してるフリじゃないと思う。

「意味わかんない」

私は下を向いてそう言った。
おかしいじゃない。昨日全員が私が盗んだと決めつけた。

「俺、葉山さんが盗んでないこと知ってるよ」

「え?」

思わず顔をばっとあげてソイツをみた。
ソイツはニコッと笑ってこう続けた。

「俺見たんだ、昨日の体育の時間、グラウンドシューズ忘れてとりに戻ったときに教室で女子何人かで何かゴソゴソしてたもん。葉山さんの机で、
入った瞬間ヤバみたいなかおして逃げたからとりあえずほっといたけど」

「んじゃなんで昨日それいってくれなかったのよ」

「俺その時早退したからその場にいなかったんだ」

ちからになれなくてごめんねってこれまた申し訳なさそうに言ってる

嘘はついてないとおもう。

この状況で嘘ついてどうすんのかって話だし。

< 25 / 32 >

この作品をシェア

pagetop