アメ、ときどきチョコレート
「しかし、お前が俺の話を信じるとは……。意外だったな」




「…どういうことよ」




「いや、もっと頑固かと思っていたからな」




「失礼ね!わたしは素直な女の子よ!!」



 そう言いながら、わたしはちらっと坂本の顔を盗み見た。


 坂本の切れ長の目は、意志が強そうだ。口はきゅっと一文字に結ばれていて、ちょっと近寄りがたいような印象を与える。



 ーーー坂本とわたしには、同じ血が流れている。




「朝倉」



 坂本に名前を呼ばれた。



「ん?」



「俺とお前は兄弟だ」



 坂本は、そう言ってわたしの頭をなでた。




 急に心臓の音が、速くなる。



 

 まさかーーーー。





 兄弟に恋をするなんてことはーーーーーー。



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