アメ、ときどきチョコレート
「どうも、生徒会長の宮崎です。朝倉さんと直接話すのは初めてだよね?」



「……あのっ、屋上って、立入禁止なんですよね?」



「上級生の質問にはしっかり答えろ」



 ピシャリとわたしの声がはねのけられる。



「…初めてです。あの、屋上って立入禁止なんですか?」



 宮崎先輩が「こりん奴め」という顔をしてわたしを見てきた。



「うん、立入禁止。でも、生徒会長のわたしも来てるからいいでしょう」



 軽く答える先輩。やっぱり立入禁止だったか……。

 宮崎先輩のスカートがふわりと揺れる。それといっしょに先輩の髪も揺れる。


 宮崎先輩は今までにないほどの支持率で今年の生徒会選挙で当選した。みんなをまとめる力を持っていて、物事を段取りよく進めていく。
 

 言葉遣いも、容姿も、何もかもがボーイッシュ。みんなからの信頼は絶対で、下級生からも、同級生からも、みんなから頼られている。


「あの、ところでわたしのことをなぜ知っているのでしょうか……?」



「そりゃキミ、三年生の間じゃ有名だから」



 あっけらかんと答える先輩。何でそんなに有名なのだろうか……?



「美和くん、三年生の男子から人気だよ。わたしも美和ちゃんに惚れそうだけどね」



「……」



 ……なんとも言えない。



「なんだかキミは面白そうな人だね。わたしと友だちになってくれないか?」



「……」


 ……ノーコメント。



「先輩からの要望には応えろ」



 ……なんと強引なセリフだ。



「はぁ……」



「よぉーし、わたしの友達第一号だーーっ!!」


 
 ……いろいろと嫌な予感がする。



 



 



 






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