アメ、ときどきチョコレート
和哉め、こんな寒いところで女の子を待たせるなんて……。


「ヒックシュン!」


 くしゃみが出てきた。頭もぼーっとしてきた……。



「ヒックシューン!!」


 さっきよりもひどいくしゃみが出てきた。


「美和、待たせたな」


 
「んっ……」



 ふっと体から力が抜け、わたしは和哉に受け止められる。



「おまっ……、どうしたんだよ!」



「頭がいたい……」



「おい!美和!」



 そこから先の記憶が無い。目を覚ましたら、自分の部屋のベッドの上で寝ていた。体を起こすと、まだ頭がズキズキする。


「あら、起きた?」


 母さんの声が聞こえた。


「美和によく似た男の子が美和を連れてきてくれたのよ。まだ熱があるだろうから寝てなさい」



 うん、と頷いてまたベッドに横になる。頭を動かすと、氷枕の氷がカランコロンと鳴る。
 
 わたしによく似た男の子というのはきっと和哉のことだろう。




 


 もう、和哉、かっこ良すぎるとこ見せないでよーーーーー。







 兄弟に恋することはできない。それはわかっている。わかっているけれど………。


 



 わたしのこの恋の気持ちはどこに行けばいいの?




 わたしだって、芽衣みたいに幸せになりたいーーー。













 



 
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