アメ、ときどきチョコレート
「ねえ、和哉。失恋した友だちを慰めるにはどうすればいいと思う?」


「何だそら」


 和哉は振り向きもせずに歩き続ける。そして、言った。


「宮口芽衣のことか?」


「……そうだけど」


 
 ……これが世に言う双子のテレパシーというやつだろうか。なんで和哉はこんなにわたしのことをよくわかっているんだ?


 すこし恐怖感を感じながらも、わたしはこくんと頷いた。


「宮口は、基本的にいろいろと我慢をしているんだろうな。少なくとも俺にはそう見えるが」


「なんとかならない?」


 和哉は少し寂しそうに微笑んでから、口を開いた。



「俊一の好きな奴は、お前なんだ」



「……え……?」



 シュンイチノスキナヤツハオマエナンダ。


 その言葉が、無変換になってわたしの頭に響く。


「そ…んなの…ウ…ソよ……」


 事実を嘘だと言ってもしょうがない。でも、でも、でも……。ああ、さっきと同じだ。どうしようもないでもが、何回も何回も、胸で繰り返される。




「……そうだったんだ」


 芽衣の声が聞こえた。


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