アメ、ときどきチョコレート
 先輩の性格。


 ちょっとキツめのところもあるけど、すごく素敵な人だ。


 
 ーーー酸っぱさがあるけど、甘さもある。



 そんなお菓子があるのはこの列だ。




「ふー、いいお菓子が買えた!良かった良かった」



 わたしははお菓子の入った紙袋を持って、一人で呟いた。



「これも、和哉のおかげだな」




 実は、わたしは先輩へのお菓子の他に、もう一つのものを買っていた。




「あのぉ…、宮崎遥香さんいますか?」



 わたしは翌日宮崎先輩の教室を覗いて、宮崎先輩の友達に、先輩の席を案内してもらった。



 先輩は難しい顔をして、何かを書いていた。



「あの…先輩。朝倉です」



「おお、美和!」



 先輩はわたしの声を聞くと、ぱっと顔を輝かせた。



「この前、ストラップありがとうございました」



 わたしがお菓子の入った紙袋を渡すと、先輩は、



「ああ、別に良かったのに」



 と申し訳無さそうに言う。


 ーーーこういうところが、すごく素敵な先輩なんだ。



「じゃ、失礼しました!」


 
 わたしは幸せな気持ちで、先輩の教室を飛び出した。
 
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