君の生きた証~love in war~
「ロルフ!」


名前を呼ばれて、そちらを見ると、ルームメイトが走っていた。

そりゃもう、死に物狂いの形相で。

なりふり構ってない。



アレンは、とても走るのが速い。

その達者な足で、体育大会ではいつも花形だ。

バスケで鍛えているはずの俺でも、ついていくのが精いっぱい。




だが、今は、髪の乱れとか、そういうことは頭から消して、ただひたすら走る。


アレンもきっと、目指す方向は同じだろう。



「まだ・・・学校来てないよな?」



誰のことかは、言わずもがなだ。




「そのはずだ」

「まずいことになってなきゃいいんだが」



唇をかむアレンに、自分が重なる。




同じ気持ちだ。

俺が抱えてる不安と同じ気持ちだ。
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