君の生きた証~love in war~
「あれ・・・ん、アレン、・・・アレンッ!」


甘やかな声が響いた。

わずかにかすれ、震えた声。



その声は、校舎の入り口からだった。



ほっと安堵する。





逃げていたのだ。


助かっていたのだ。





「なた・・・ナタリー・・・!」



アレンも、声を震わせる。



クールを気取って、いつも感情を気取らせないアレンが、ナタリーのこととなると、ひどく感情的になる。



あの小柄な少女は、それほどの大きな存在なのだ。
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