ハート交換
俺を見つめる修一の目がとても真剣で思わずたじろぐ。



『私は絶対嫌よ。君と一緒に帰りたい。修一に断ってよ!』



なみかの心の声は、そう言ったが俺の隣にいる彼女は、こう返事した。



「そうだね・・・やっぱり修一君に送ってもらおうかな。森本君、帰る方向反対だし、迷惑かけるから。」



「わかった。なみか君がそう言うなら修一に送ってもらえよ。」



俺は、笑顔でそういった。言ったけど、どこか胸の奥がスッキリしない。



修一は、すごく嬉しそうな顔をして何度も馬鹿みたいに頷いていた。



俺はそれからクレープ屋に戻り、黙ってクレープ生地を作りだした。



「ねぇねぇ、修一すごく嬉しそうだけど何かあった?」



恭子が俺の耳元で囁く。ったく!身体が近いんだよ。



「何でもない。」



俺は、イライラしながらそう答えた。




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