ハート交換
「誠!お願いだから、今はその話聞かないことにしてくれ。後で必ず話すから。」



俺は、足下を見ながら言った。



「やっぱり。お前、なみかちゃんと何かあったんだな・・・・分かった。お前がそう言うんなら何も聞かないことにするよ。でもな、薄々気づいてると思うけど、修一の片思いの相手なみかちゃんみたいだぜ。俺達も最近まで知らなかったんだけど。」



分かってた。薄々修一の気持ちに気づいてた。



だって、そうじゃないとあんなにすぐに彼女を見つけることは出来ないはずだから。



俺が傘を返す為に、修一に水沢なみかを捜してくれるように頼んだ時、修一はすぐ見つけてくれた。意図も簡単に。



あれは、ずっと見つめて追いかけていたから出来ること。


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