ハート交換

俺達は、しっかり手を握りあってその場を走り去ろうとしていた


「ねぇ、あれ見て。」

突然、彼女が立ち止まり鏡の方を指さした


鏡は、さっきの地震の影響で壁に固定するようにとめていたワイヤーロープのようなものが外れて鏡が左右に大きく揺れている


「嘘だろー。あんな貴重なものが。このままじゃ壊れる！」


俺達は、鏡を支えるために走り出した


ギギィ―


大きく揺れていた２つの鏡が突然止まった


偶然、２つの鏡とも外れたロープに挟まってしまったらしい


これは幸運な!今のうちに博物館の職員を呼んで来なくちゃ。


走りだそうとする足を鏡が引き止める


「この鏡・・・合わせ鏡になっている」