ハート交換
伊藤に羽交い締めにされ何とか破くようなことはせずにすんだが興奮は抑えきれないでいた。




「やったぁ―!!これでエジプトまで行かなくてすむ。戻るチャンスだよ。」




『凄い・・・もう一度日本であるなんて。あぁ、神様!』



なみかの心の声は感激のあまり泣いている。



無理もない。何せエジプトに行くか、ずっとこのままの状態でいるか。



今まで選択は二つに一つだったのだから。



それが福岡でもう一度再来日するらしいではないか。




これは俺たち二人にとって最大のチャンスだった。




「悪い。俺、次の駅で降りるわ!」



そういうと晃は次の渓谷駅で電車から飛び降りた。




なみかに一刻も早く知らせたかった。
横腹が痛くなるのも気にしないで晃は夢中で走った。





< 199 / 284 >

この作品をシェア

pagetop