ハート交換
鏡を通して、胸の辺りを確認してみる。


「・・・・・えっ?」

白い小さな手が心臓辺りを押さえつけている

「わぁぁぁ―!!」


慌て振り払うが、何の感触もない。心臓辺りを目で確認するが、鏡にうつっている白い手などなかった


当たり前だ。目の錯覚だろう。


もう一度確かめるように鏡を覗きこんだら今度は、はっきりと白い手が見えた。


手は、そのまま体を貫通しピンクの小さな塊を取り出した


その瞬間、さっきよりもっと鋭い痛みが体全体にまわった


何だ・・・今のは何が起こった?


「キャー!!!」


鋭い叫び声で我にかえった俺は、強い引力に逆らうように鏡から離れた


その勢いのまま、女の子の手を掴んでその場を走り去っていった。








< 21 / 284 >

この作品をシェア

pagetop