ハート交換
何の用。余りにも非現実過ぎた内容なので、とても話す気になれない。



後からしつこく聞かれることはわかっていたが、今は彼女と二人きりで話したい。


「修、ちょっと彼女と二人で話したいんだ。」


修は、ニヤニヤしながらも「いいよ。巧と誠にもいっておくから。」とすんなり引き下がって屋上から出ていった。



さてと・・・呼び出したの俺の方だけど。
あの態度は酷くないか?


水沢なみかは、プルプル震える体をなんとか傘で隠そうとしていた。


全身隠すなんて無理だろうに。何て無意味なことをしているのか。

俺は、少しずつ二人の距離を縮めるように近づきながら話しかけた。



「君、昨日あの博物館に行ったよね。」



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