ハート交換
コイツらは一体
何しに来たのか?


女の子集団は、フェンスにしがみつくなみかを無理矢理引き離し彼女の両脇を抱え込みながら引きずり歩いた。


ズリズリズリ



無理矢理フェンスから引きずり下ろされたなみかは、一切の抵抗をせずに無表情のまま連れて行かれてそのまま屋上から姿を消した



「・・・・・・・」





途端に晃はその場に座り込んでしまう。


「何だよ。まったく」

さっき彼女の手に触れた時、心がドキュンと小さく波うった。


幻聴でも何でもなく聞こえてくる女の子の声は彼女のものだったのだ。


今なら自分の心にはっきりと彼女の心の存在に気づくことができる。


今日1日中泣いていた弱い心の存在を。



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