ハート交換
「もしもし。ピンクの水玉傘ちゃんと返してあげた?あの子のはね、名前がマジックで書いてあるからね。」


携帯に出ると
何も知らない修は、のんびり彼女の傘の説明をし始めた。


「あの子が女の子集団の呼び出しにあった。」


ダラダラと傘の説明を続ける修の言葉を遮っていった。


それから晃は全速力で屋上をでて階段を三段跳びで降りていた。勿論、携帯を繋がった状態のままにして。


「知ってるよ。さっき見た。3階の女子トイレにいるよ。」



晃は、携帯を持ったまま立ち止まる。


「何で、助けないんだよ!!」


のんびりと話す修についキレてしまった。


「あの子は、いつもそうなんだ。しょっちゅう、誰かに虐められてる。男の俺が助けると余計いじめがエスカレートするよ。今ね、先生呼んでるから!」



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