ハート交換
ギザギザハート
その日の夜


脱ぎちらかした洋服が部屋のあちこちにあり、学校の教科書が部屋の隅に山積みになっている。よくみると机の上やらタンスの上やらにうっすら埃が積もっている。


部屋のあちこちに物が溢れたこの部屋は本当に心落ち着く。


わたしは、部屋の明かりを消してその中をかき分けかき分け人が一人寝るスペースを作った。


「ヨイショッと・・・」



その小さなスペースに寝そべって天窓を見上げる。


天窓は、縦1メートル横50センチほどの大きさで今夜は、雲一つなく空気が澄んでいるので美しい星空がよく見えた。


なみかは、天窓から見える星空を静かに見つめながら右手を脱ぎ捨てて置いた制服のスカートのポケットに忍ばせた。



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