ハート交換
『それはつまり・・・わたしも一緒にアルバイトするってこと?』


「そうだよ。元に戻るんだから、鏡の前には君と俺がいないと。君の心だけ連れていくことは出来ない。」



『私には無理よ!アルバイトなんてしたことないし。』



「俺が一緒にいて手伝うから。君がその、そういうことが苦手なのは分かっているつもりだ。世の中には、いろんなバイトがある。人と接しないバイトだってきっと・・・」



『ウウ・・・もう嫌・・・』



また泣かせてしまった。俺は、どう励ましたらよいか分からなかった。何せ、人を励ました記憶があまりにも薄い。こんな時の心の引き出しを全く持っていなかったのだ。




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