ハート交換
『会いに行こう。俺が待ってるよ。』


「嫌よ。わたし行きたくない。」


さっきより更に布団の中で小さく丸くなる。これじゃまるでミノムシのようだ。


『逃げたって問題解決にはならないよ。俺の中には君の心がいる。大丈夫だよ。』


そうだった・・・アイツの心の中にわたしの心がいるんだったわ。今、どんな状態なのだろう。自分の心が少し気になった。



「・・・よし。アイツに会うわ!」


『アイツって。俺のこと?酷くない?そんな呼び方。』


晃の心が少し怒ったようだった。わたしは、ガバッっと布団から立ち上がり部屋を出ようとドアノブに手をかけた。



『ちょっと待ったぁ!』




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