ハート交換
森本晃。彼の心の声に従ってジャージを脱ぎ捨てジーンズとシャツに着替えた。私は、鏡の前に立ってみる。


顔を洗っていないので目に目やにがついていた。ティッシュで軽く拭き取ってグシャグシャな髪の毛に櫛を入れた。


「これでいい?」


『うん。まあまあオッケーにするよ。』


「何それ。」


わたしは、微笑んで部屋を出ていった。






いざ公園に着いてみると何だか緊張してくる。昨日の屋上の一件もあることだし、ここは最初に謝るしかない。そう思った。



『大丈夫?たぶん二人が元に戻る方法を考えたんじゃないかと思うんだ。それを話に来たんだよ。』



なみかは、公園の中をゆっくり歩き出した。けっこう大きな公園で真ん中にはちょっとした広さの池がある。



そこに彼が待っている気がした。



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