ナムストーンPART3

イラク1

この年も暮れ12月24日未明に2回目の大バイブレーションが起きた。
はたして各国のナムストーンと光る石も不気味に輝き始めていた。

オサムオサナイは確認した。直ちに唱題に入る。テキサスのドナルドも
ナムストーンを唱えていた。おじさんに電話を入れる。

「おじさん、10分でも結構です。どこかでナムストーンを唱えてください。
ぜひお願いします。何かが起きます。訳は後からわかりますから」

全世界の数少ない光る石とナムストーンはますます不気味に輝いた。
十数人のナムストーンメンバーは必死でナムストーンを唱え続けたのだ。

ちょうどそのころイラクの国境沿いと首都バグダッドはあわただしかった。
しかもそれは秘密裏にあわただしかった。ヨルダン国境でスカッドミサイル
3基が急速移動をしていた。夜8時である。宇宙偵察衛星は30分ごとに
天空を巡っている。この30分で決着をつけなければすべてが水の泡になる。

バグダッドのイラク国防省作戦室にはフセイン大統領以下政府首脳が勢ぞろい
していた。シェルターから出てきた大型スカッドミサイルにはその先端に
小型原爆が搭載されていた。定位置に3基並んでミサイルは角度を西方45度
イスラエルの各都市にセットされていた。
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